皆さんは歯磨剤に配合されている殺菌剤の効果はご存知ですか?一口に殺菌剤といっても、その性質はさまざまです。今回は殺菌剤の中でもバイオフィルムに対し浸透殺菌ができる「イソプロピルメチルフェノール(IPMP)」について詳しくご説明いたします。
CHX(クロルヘキシジン)などの殺菌剤はプラスの性質があり、バイオフィルムの表面はマイナスの性質があります。
そのためプラスの性質をもっているCHXなどの殺菌剤は、バイオフィルム表面のマイナスの細菌がプラスの殺菌剤をひきつけてしまい、中まで浸透することができません。
IPMPの殺菌剤はプラスでもマイナスでもない性質のためバイオフィルム表面のマイナスの細菌にひきつけられることなく、奥深くまで浸透でき、バイオフィルムを殺菌することができます。
現在、殺菌剤が配合された歯磨剤は歯科用、市販品を含め多く販売されています。しかし、その殺菌剤の効果など理解している人は少なく、漠然と使っている場合もあるのではないでしょうか?
まず皆さんには、殺菌剤の有効性を理解していただき、その後、患者さんにはなぜその製品を自分が使用しなければならないのかを、説明します。患者さんがその必要性を理解できれば、製品の使用のきっかけや継続にもつながります。オススメ例を参考に、患者さんの状態にあったものを正しく選んで、患者さんのセルフケア製品もみなさんが管理していけたらいいですね。
本文のおわりです