山口県の日本海側、日本神話に登場するスサノオノミコト(須佐之男命)に由来する萩市須佐。ここで総合歯科医療を掲げる仁保歯科医院・副院長の仁保俊昭先生は、祖父、父の後を受け継ぐ三代目です。7年前に故郷に戻り、高齢化と少子化が進む中で、一般歯科、矯正歯科、小児歯科、口腔外科と様々な症例に対応する一方、地域の歯磨き習慣の定着に力を注ぎ、口腔状態の改善に全力を傾けています。人口4000人の町で一般歯科医療と予防歯科活動を続ける仁保歯科医院・仁保俊昭先生にお話を伺いました。
―総合歯科医療を掲げられている診療活動の概略をご紹介ください。
萩市須佐は高齢化が進んでいますので、来院される患者さんの7割は、高血圧や心筋梗塞など、いろいろな既往歴をお持ちです。歯周病治療の場合でも合併症との関係を真剣に考えて行わなければ取り返しのつかないことになります。
―その中で特に力を入れていることがありましたらご紹介ください。
特に力を入れているのは口腔外科です。須佐は萩市と合併しましたが、萩市内で口腔外科の看板を出しているところはうちだけだと思います。他の医院から難しい抜歯の依頼がくることもあります。
予防歯科を「健康維持」から「健康増進」へと進化させるためには、「患者さんの意識を変える前に、医院で働くスタッフ自身の考え方が健康増進型に大きく変わらなければできない」といいます。
う蝕や歯周病の症状は目で見れば分かりますが、予防は目に見えません。そのなかで患者さんの意識に訴え、定期的なリスクコントロールやメンテナンスに結びつけるために、高輪歯科は目で見てわかる「予防」作りを始めました。それがIT化でした。
「うちのIT化は口腔内写真の撮影がスタート」と加藤先生。すべての患者さんの口腔内の写真を撮り、レントゲン写真や、通院履歴、治療履歴などをまとめたデータを蓄積し、データベース化を手がけました。先ほど紹介した口腔内の細菌検査結果も重要なデータの一つです。
しかも、このデータ作りは特定の人が担当するのではなく、スタッフ全員誰もができるそうです。加藤先生は「全員が同じレベルに立ってこそデータベース化が定着する」といいます。データベースの導入で、患者さんごとのリスクを考えながら、その後のメンテナンス期間を決めることが可能になりました。
この医院では、初診の患者さんのレントゲンおよび口腔内写真を撮影し、口腔内状況のデータにカラー写真を添付した資料ができるまでの所要時間が約7分間。赤穂四十七士で有名な高輪・泉岳寺にほど近い東京都港区高輪で、「治療も予防歯科の一環」を掲げて開業している高輪歯科デンタルケアセンター。加藤院長は、外科的処置中心の歯科治療から、内科的分野も意識しながら”細菌“という概念を取り入れた、新しい発想の予防歯科に取り組んでいます。
患者さんへの充実した情報提供をスタッフ全員でのIT化への取り組みで実現し、セルフケア用品の院内処方で患者さんの口腔状態の改善を実現。従来とは異なる自費メンテナンスという新発想などで安定した医院経営を行っています。
健康維持から健康増進への予防歯科を進める歯学博士・加藤正治先生(43歳)と、患者さんの心をつかむアドバイスで先生の活動をがっちりと支えている歯科技工士・相澤真奈美さんにお話を伺いました。
―少子化といわれる中で、子供の患者さんへの対応はどのようにされていますか。
子供の患者さんはかなりの人数が来院されています。子供の治療には保育士さんからの指導もあり、子供のペースに合わせ、時間をかけて診療しています。スタッフにも子供への対応を徹底的に勉強してもらっています。この記事は、ライオン歯科材(株)発行の情報誌「Dent. File」からピックアップしてお届けしています。
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