vol.6 なかむら歯科クリニック

注目!"院内ディスプレイ"アイデアリポート Vol.6 〜 予防歯科製品の見せ方&すすめ方 〜「予防歯科製品」の見せ方の工夫、ご案内するタイミングなどについて、いろいろな取り組みを行っている歯科医院さんをTAEさんが訪問リポート!

今回お伺いしたのは、平成20年に開業した埼玉県さいたま市の「なかむら歯科クリニック」です。
手作りのPOPや掲示物、オリジナルのニュースレターなど、コミュニケーションのきっかけ作りになる様々なツールを活用しています。「予防歯科を通して生活習慣を見直すきっかけになれば」と語る院長の中村篤史先生とスタッフのみなさんに取り組みのポイントをお聞きしました。

なかむら歯科クリニック (埼玉県さいたま市)

なかむら歯科クリニック (埼玉県さいたま市)

週に1回は院長と歯科衛生士で打ち合わせを行い、患者さんの情報や予防歯科に対する考えを共有しています。

"来院された方の想いをじっくりとお聴きし、健康へのサポートをしていきたい"

カウンセリングを重視し、患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。歯科が怖い、不安といった気持ちを和らげることができるように、わかりやすい説明と親切で優しい対応をするようにこころがけています。お口の中で困ったことがなく、おいしく食事ができて、笑顔でいられるためのサポートをしたいと考えています。

スタッフの皆さんに聞きました!"ディスプレイ"への取り組み

Q.手作りのPOP(ポップ)が目を引きますね。ディスプレイのポイントは?

受付のディスプレイ棚には、歯ブラシと歯磨剤を中心に当院の推奨品を厳選して置いています。スペースが小さいのでPOPはコンパクトにして、製品のポイントやメリットも簡潔に書いています。どうしても情報量が限られてしまうので、すぐ横にデジタルフォトフレームを置いて詳しい内容もご覧いただけるようにしています。また、待合室には製品のポスターに加え、スタッフが手作りした予防歯科製品の人気ランキングなどを貼り、楽しく見ていただけるように工夫しています。チェアサイドにも製品を置き、POPに「むし歯予防に効果的!」など一言コメントを付けて目立たせています。手書き文字はパッと目を引きますし、温かみも伝わるので小さくても効果は抜群だと思います。

受付まわり

ツールを活用したディスプレイにより、限られたスペースで情報を発信

コンパクトに製品情報をまとめたPOP
拡大
詳しい製品情報は液晶モニターで表示
拡大
待合室 手づくりのPOPやポスターで予防歯科製品への興味喚起
チェアサイド

手書きの一言コメントで注目度アップ!

拡大

Q.毎月、ニュースレター『スマイル通信』を発行されているそうですが、患者さんの反応はいかがですか。

開業時から毎月発行している『スマイル通信』は現在42号で、患者さんとの大切なコミュニケーションツールになっています。内容は新製品の紹介や歯の磨き方、インフルエンザ対策など様々。なるべく専門用語を使わず、平易な言葉使いを心がけています。たとえば「DENT.MAXIMA」が改良新発売されたときは「奥の歯までラクラク届いて動かしやすい!」「院長も使用、オススメです!」と記載したところ、わかりやすいと好評でした。裏面にはスタッフ全員の近況報告を載せているのですが、プライベートな話題に親近感をもっていただけるようで、会話のきっかけとしても役立っています。

予防歯科情報だけでなくスタッフ全員の近況報告も掲載 プライベートな話題が患者さんとのコミュニケーションのきっかけづくりに!

毎号のテーマは中村院長が決め、担当の歯科衛生士がすべて手書きで作成しています。

Q.予防歯科製品の販売が好調とのことですが、何か工夫されていることは?

私たちが大切にしているのは、患者さんに"寄り添う"ことです。「この製品でこう磨いてください」と、こちらの考えを一方的に押しつけるのではなく、コミュニケーションをとりながら信頼関係を築き、一緒に頑張ろうという姿勢を大切にしています。患者さんの様子にいつも気を配り、治療の合間などに製品を手にして興味を示されている方にはしっかりと説明するようにしています。最近は「Check-Upシリーズ」が好調ですね。香味を全種類揃えたら注目度が上がり、製品を選ぶ楽しさも感じていただけているようです。「ジェルとペーストはどう違うの?」など質問を受ける機会も増えました。

アプローチのPoint!患者さん自身がセルフケアに力を入れたいと思っていただけるよう患者さんのタイミングに合わせて製品を提案 ●製品の案内は一方的にならないように、興味を示されている患者さんにしっかり説明 ●製品のラインナップを充実させて、選ぶ楽しさを訴求

私の予防歯科アプローチ法

健康的な生活を送るためには口腔の健康がとても重要。セルフケアに興味を持っていただくきっかけとして、予防歯科製品を活用しています。

院長 中村篤史 先生

豊富な製品知識でアドバイス

開業して4年半が経ち、予防歯科に対する認識も少しずつ広まってきたように感じます。セルフケアに興味をもっていただくためには製品知識が欠かせませんから、製品の効能や使用方法などをメーカーさんに聞いたり実際に使用するなど、患者さんにわかりやすくお伝えできるように勉強しています。歯科衛生士も理解が深まるとより説明がしやすくなりますし、使用実感もお伝えできるので患者さんの反応もいいですね。歯ブラシに関しては市販品についての質問も多いので、ドラッグストアで全種類を購入してメーカーごとに特長をまとめ、少しでも患者さんに合う製品をアドバイスできるようにしています。ブラッシング指導やカウンセリングの際に歯科用と市販品の使用感を比べていただくと「歯科用の方がいいですね」と、品質に納得される方も多いです。

カウンセリングで意識を高める

患者さんとのコミュニケーションに大きな役割を果たしているのがカウンセリングルームです。ユニットに座ると緊張して言えないことも、カウンセリングルームなら打ち解けた雰囲気で話ができるので回を重ねるごとに信頼関係が深まります。カウンセリングでは、睡眠時間や食事の回数、嗜好品や飲酒の有無など生活習慣に関する質問から、「10年後、20年後に自分のお口がどうなっていたいと思うか」など、患者さんの健康観についても伺います。こうした質問に最初は戸惑う方もいますが、歯科衛生士とマンツーマンで話をしているうちにご自身の生活習慣を客観的にとらえて意識することができるようになります。こうして患者さん一人ひとりの現状を整理したうえで、ご自身のお口の中が良い状態で過ごしていただく方法を一緒に考えていくようにしています。
健康的な生活を送るためには口腔の健康がとても重要ですから、歯科医院にできることはもっと多いはずです。当院が生活習慣を見直すきっかけになってもらえたら嬉しいですね。

  • カウンセリングルーム

    2回目に来院された際に口腔内写真を見ながら15分程度のカウンセリングを実施。何気ない会話から生活習慣を知ることもできるため、予防歯科の観点からも貴重な空間になっています。

  • 市販品についてまとめたリーフレット

    市販品についてもメーカーごとに特長をまとめるなど、知識を増やし、わかりやすく説明できるようにしています。

限られたスペースを活かして、効果的に情報発信!

待合室

生活習慣を見直すきっかけとして、歯科医院の立場から食育の情報発信も!待ち時間を活かし、クイズ形式で楽しく学べるように工夫しています。

トイレ

見落としがちなトイレも、壁面を利用し、ディスプレイスペースとして活用。

チェアサイド
患者さんの目に付きやすい位置に製品ポスターを貼ったり、手づくりの「スタッフ紹介・デンタルグッズご案内」を設置。診察の合間を活かして、製品のメリットをわかりやすく紹介します。

なかむら歯科クリニックさんに学ぶ!ディスプレイの極意 ライオン歯科材株式会社 歯科衛生士TAEさん

患者さんの目に留まるよう手作りのPOPやポスターでセルフケアへの意識を向上!

なかむら歯科クリニックさんは、様々なツールを活用して予防歯科を積極的に推奨されています。とくに印象的なのがたくさんの掲示物です。待合室やチェア周り、トイレに至るまで院内の壁面をフル活用して、歯の健康や食育に関する情報を発信しています。手作りのPOPやニュースレターはオリジナリティがありますし、手書き文字ならではの温かみも伝わって訴求力が高いですね。アットホームな医院の雰囲気作りにも貢献していると感じました。