vol.4 まつもと歯科医院

注目!"院内ディスプレイ"アイデアリポート Vol.4 〜 予防歯科製品の見せ方&すすめ方 〜「予防歯科製品」の見せ方の工夫、ご案内するタイミングなどについて、いろいろな取り組みを行っている歯科医院さんをTAEさんが訪問リポート!

今回お伺いしたのは、平成16年に移転ご開業された千葉県富里市の「まつもと歯科医院」です。院長の松本聖樹先生は開業にあたり、専門家の意見を仰ぎながらご自身で設計を担当。ディスプレイ専用スペースを設けるなど、製品の推奨にも意欲的に取り組まれています。「最近は製品を購入するために立ち寄る方も増えました」という同院で、訴求効果を高めるポイントをお聞きしました。

まつもと歯科医院(千葉県富里市)

まつもと歯科医院(千葉県富里市)

毎週水曜日のランチタイムはスタッフ全員で勉強会を行なう等、スタッフ間で情報共有しながら、質の高いサービスの提供に務めています。

"身近で頼れる医院として
地域医療に貢献したい。"

当院では地域医療への貢献という観点から休診日を設けていません(年末年始及び特定日を除く)。国立病院で採用されている空気清浄機やスリッパ殺菌ディスペンサーを導入するなど、衛生的で快適な環境作りにも力を入れています。

スタッフの皆さんに聞きました!"ディスプレイ"への取り組み

Q1.たくさんの製品を扱っていますね。ディスプレイのポイントは?

ディスプレイで大切にしているのは「わかりやすさ」です。製品のPOPに頼りすぎないよう控えめにすることも心がけています。基本的に受付の専用コーナーをメインとして、月替わりの「キャンペーン」は別スペースを設けてディスプレイしています。ディスプレイ専用コーナーでは、売れ筋の製品は棚の中央に、定番は手に取りやすい位置に並べるほか、歯ブラシ・歯磨剤などアイテム別に展示して比較検討がしやすいように配慮しています。
とはいえ、あまり類似した製品を並べると患者さんは迷われてしまうので、使用感や効果などの特長をスタッフ自身がチェックし、患者さんからの要望も取り入れながら、毎週行うミーティングで厳選しています。院内では勉強会も行い、製品知識を深めて患者さんに提案・説明できるようにするのと合わせて、カルテにお買い上げいただいた製品名を記載し、スタッフ全員で情報を共有しています。

受付ディスプレイ専用スペース

Point!「わかりやすさ」を意識したディスプレイ

1. 売れ筋製品 → 棚の中央 推奨製品 → 手にとりやすい位置

2. 比較検討しやすくするため、アイテム別に展示
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3. POPは最小限にとどめ、口頭でしっかり説明

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Q2. 患者さんの反応はいかがですか?

ディスプレイに興味を示し、製品の違いについて質問してくださる患者さんも多くいらっしゃいます。特に月替わりの「今月のキャンペーン」は大変好評で、常連の患者さんの中にはまとめ買いをされる方もいるほど。おすすめ製品を3点ほど選んでご提供しているのですが、初診の方にも気付いていただけるよう待合室に専用ラックを置いて目立たせたり、チェアサイドに手書きのポスターを貼ってアピールしています。9月は敬老の日にちなみ義歯ケアにしました。製品を通して会話も生まれるので、コミュニケーションのツールとしても役立っています。

待合スペース Point! 特別価格で提供する月例「キャンペーン」(専用ラック、ポスターでアピール) 患者さんの興味喚起 コミュニケーションのきっかけづくり

Q3. 予防歯科製品の販売が好調とのことですが、何か工夫されていることは?

一番大切なのは、製品を使うメリットを患者さんに正しく理解していただくことだと思います。まず診療時には、必ず口腔内写真で全顎や歯石等の現状を見ていただき、症状を自覚していただきます。ブラッシング指導(以下、TBI)で、セルフケアの重要性と共に「今のあなたに使っていただきたいのはコレです」と、症状に応じた推奨製品をその場で紹介しています。さらに「次回はケアの成果をみせてくださいね」「改善したら次のステップを目指しましょう」と目標を設定し、患者さんのモチベーションを保つように心がけています。次のアポイント時に前回の口腔内写真と比較して効果を実感していただくと、その後も継続して購入してくださいますね。

アプローチのPoint!製品を使用するメリットを正しく理解してもらう ●患者さんに症状を自覚してもらう ●患者さん一人ひとりの症状に応じた推奨製品をご紹介、目標を設定しモチベーションアップへ ●アポイント時には、前回の口腔内写真と比較し、効果を実感してもらう

私の予防歯科アプローチ法

地域に根ざした歯科医院としてディスプレイを活用し、患者さんの健康づくりに貢献したい

院長 松本聖樹 先生

院長 松本聖樹 先生

予防歯科の重要性をスタッフと共有

予防歯科を推進するにあたって肝心なことは、スタッフと理念を共有することだと思います。スタッフの立場からすると、いくら予防歯科が重要だと理解していても大量の製品情報を自ら学び、休日返上でセミナーに参加するのは容易なことではありません。当院も試行錯誤の連続でしたが、現在は私の考えに同調してくれるスタッフが揃ったおかげでTBIも順調ですし、ディスプレイも全て任せられるようになりました。治療と予防という両輪がうまく回り、好循環を生んでいます。

マンツーマンの指導で効果を高める

予防歯科に熱心な方の多くは40代以降で、一度は歯のトラブルを経験されています。「痛い治療は嫌だ」という意識が強く、セルフケアにも積極的。だからこそスタッフには「患者さんの立場に立ち、自分がしてもらいたいと思うようなケアをしよう」と繰り返し伝えています。とくにTBIは1ヶ月に1回、約1時間をかけてじっくりと対話ができる貴重な機会です。明快な製品説明と「○○様にはこれがおすすめです」という一言が安心感を与え、やる気を引き出すことで症状も改善していきます。地域医療という観点からも、ディスプレイスペースをもっと充実させて患者さんの健康作りに貢献したいですね。

TBI専用スペースではセルフケア製品もディスプレイし、患者さんに合わせた製品をご提案します。
季節感、遊び心に溢れた演出が、患者さんの心を和ませます。

まつもと歯科医院さんに学ぶ!ディスプレイの極意 ライオン歯科材株式会社 歯科衛生士TAEさん

ディスプレイ + 豊富な商品知識で効果的にアプローチ!

まつもと歯科医院さんはエントランスのすぐ近くにディスプレイ専用スペースを設け、大きな陳列棚に当院お奨めの製品を展示しています。季節感のある可愛らしい演出をしつつ、製品POPは最小限にとどめてすっきりと見せています。しかし、特筆すべきはPOPに頼らずスタッフの皆さんが製品を熟知して患者さんに説明されていること。日頃から製品情報を確認し合うなど熱心な姿勢も印象的です。こうした患者さんへの真摯なアプローチが推奨販売数量にも反映されていると言えるでしょう。