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予防歯科の現場

予防歯科最前線 vol.6 静岡県駿東郡長泉町 米山歯科クリニック 院長 米山 武義 先生

米山武義先生 略歴

1979年
日本歯科大学歯学部卒業
同大学歯周病学教室助手
1981年〜83年
スウェーデン・イエテボリ大学歯学部留学、スウェーデン政府奨学金給費生
1989年
伊豆逓信病院歯科(非常勤)
1991年
米山歯科クリニック開業
1997年
歯学博士
2003年
医学博士

老年歯科医学会、同指導医、認定医
主な著書・共著「歯周病と全身の健康を考える」(財団法人ライオン歯科衛生研究所)、「新しい介護」(講談社)など多数

JR三島駅から徒歩15分、タクシーなら5分という便利な立地の米山歯科クリニックは、訪問した午後7時でも待合室に患者さんがいて診療が続いていました。
いまから30年前、高齢化社会がやってくるはるか以前から高齢者の口腔治療・口腔ケアに携わってこられた米山先生は、「長年の治療の結果が高齢者の口腔に現れている」、「口腔状態が劣悪なのは歯科関係者の責任」といい、「通院できないという理由だけで歯科医療を受ける機会を喪失するのは不公平」ときっぱり。自ら訪問歯科医療を率先しています。その一方で、町医者を自認し、患者のニーズにできるだけ応えるために最新の医療へも高い関心を示します。スタッフの待遇にも気を配り、歯科衛生士との連携、一般医科との連携も進めるなど、八面六臂のご活躍の米山先生にお話を伺いました。

高齢者歯科との出会いは突然に

▲イエテボリ大学でリンデ先生と

大学6年生のときに、岡本浩先生や鴨井久一先生にお会いし、歯周病学の道を勉強しては、と声をかけていただきました。まさに日本歯科大学に歯周病教室ができ、歯科の新しい分野が切り開かれる時代だということで、医局がいきいきとしていました。私はその医局員の二期生です。

当時の日本の歯周病学では歯周外科手術が花形で、若い歯科医師にとってフラップオペレーションは刺激的でした。


米山 武義 院長

しかし、スウェーデンのイエテボリ大学を中心とする北欧学派では、外科手術の前に徹底したプラークコントロールを実践しており、我々の診療室でも、スウェーデン留学から帰国されていた岡本先生の指導のもとで北欧の流れを導入し、徹底したプラークコントロール、そして歯科衛生士によるスケーリングを行っていました。歯科医師が治療計画を立てて患者の動機付けを行い、歯科衛生士とのコラボレーションで質の高いプラークコントロールを行う。それでも治癒しない部位はやむを得ず歯周外科手術を行う、という流れでした。

その頃、友人から御殿場にある特別養護老人ホームでの歯科診療を頼まれたのですが、何も分からず訪問した老人ホームで最初に経験したのが「ものすごい口臭」でした。入所者が口をあけたとたん、ひどい口臭に襲われ、その口腔内を見ると、プラークや歯石が沈着ではなく堆積している状態でした。

当時の私は、大学病院での患者が基準でしたから、こんな状態の口腔内を見たのは初めてでした。施設の入所者は同じ日本人でありながら全く光が当たっていない。そのギャップに非常に憤りを覚えました。
それから施設通いが始まりました。最初の2年間は折れた歯の修復、入れ歯の調整など、対症療法に明け暮れました。東京から列車で2時間かけてきて診療をすると、帰りは肉体的にも精神的にもくたくたになったものでした。

高齢者への取り組み、日欧の差を痛感

▲イエテボリ大学の臨床歯学懇話会

そんな高齢者歯科医療を経験した後で、1981年から83年までイエテボリ大学へ留学する機会を得ました。大学関連のバーサ老人病院という国際的な長寿医学研究センターでは、高齢者のプラークコントロールはもとより、唾液のpHや細菌を調べることまでしていました。高齢者に見向きもしない日本と比べ、非常に強いカルチャーショックを受けました。ちなみに、日本で高齢者にスポットがあてられたのは90年代に入ってからです。

写真

スウェーデンで私が見たものは、大学でも一般の医院でも予防に重きを置いていること、また日本では90年代にようやくスポットがあてられた高齢者歯科医療にも、スウェーデンは既に取り組んでいたという現実でした。イエテボリ大学の先生には「日本の家電や自動車などは優秀でスウェーデンでもよく見かけるが、日本の口腔保健についての情報はスウェーデンには入ってこない」と指摘されたことがあります。私は骨補填材の研究をしていましたが、イエテボリ大学の教授からは『歯周治療に伴う歯周ポケット内の細菌の変動』という別の研究テーマを与えられました。

帰国後、いろいろな選択肢の中から、どうしても気になる高齢者医療を選びました。日本歯周病学会において「特別養護老人ホーム入所者におけるプロフェッショナルトゥースクリーニング(PTC)の効果」を発表しましたが、当時の日本ではこのようなテーマへの関心は薄く、反応も少ないものでした。

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